川越氷川神社(川越市)
川越市の川越氷川神社では江戸時代の1650年頃から川越祭りが行われていた。18世紀には附祭りで「唐人揃い」という行列が人気を博した。唐人は外国人を指す言葉で、朝鮮通信使行列のことである。
朝鮮通信使は、第3回までの「回答兼刷還使」も含めて計12回派遣されている。最後の通信使を除いて江戸まで来ている。通信使と多くの識者が交流し、庶民も行列見学に集まった。庶民からすれば一生に一回、外国文化に触れられるかどうかの絶好の機会であった。江戸に近い川越からも行列を見学に行った日記が残っている。
異国の服装、音楽などに接した庶民は、各地でそれを再現した。中に通信使行列を絵馬として奉納したり、人形にすることもあった。川越には通信使がきたことはないが、行列は人気が高く、その様子は絵巻に残っている。川越で通信使行列が行われたのは、川越祭りが江戸の天下祭り(神田明神、日枝神社)の形式に影響を受けていることも関係あるかもしれない。
また、朝鮮通信使絵馬が、1716年に氷川神社に奉納されている。通信使の絵柄は、1711年に江戸に来た通信使に影響をうけたのかもしれない。
なお、絵巻の複製は「川越まつり会館」で見ることが出来る。
川越祭りの通信使行列は、明治に入り行われなくなった。のちに2005年に「多文化共生・国際交流パレード」として新に「川越唐人揃いパレード」が行われ、その後、毎年11月に開催されている。
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